昭和28年03月05日 衆議院 地方行政委員会 国家地方警察本部長官 斎藤昇
「そこで日本共産党の軍事組織は、御承知のように軍事委員会によって統轄をされておるのでありますが、その組織の行動的部面を受持ちまするいわゆる中核自衛隊は、現在われわれのところにわかっておりますのは約600隊でありまして、隊員数が5500名でございます。われわれのわかっている資料によるものはさようであります。」

昭和28年09月09日 参議院 地方行政委員会 国家地方警察本部長官 斎藤昇
「只今私のほうで入手をしておりまする材料等から判断いたしまして、これらの中核自衛隊、或いは遊撃隊という大衆層組織の隊員は恐らくまあ8000から1万ぐらいであろうかと、私のほうでつかんでおりますものにつきましては、さように考えられるのであります。」

昭和29年10月04日 衆議院 内閣委員会

[002]
説明員(法務事務官(公安調査庁長官)) 藤井五一郎
それでは今委員長の申されました範囲内においてお答えいたします。まず第一に国際共産主義勢力の動きの特徴、それから第二に最近における日本共産党の動向、第三に日本共産党の党内の現状、それから在日朝鮮人の動向、最後にいわゆる右翼の動向について申し上げます。

(中略)

次に、党の現状と申しますか内部動向。日本共産党は昨年来全国的に総点検と学習運動を実施いたしまして、党風の刷新、理論的武装をはかり、あらゆる風雪に耐え勝ち抜く堅固な前衛党に鍛え上げようと努めております。また合法戦線の拡大をはかる一方依然として非合法体制を強化し、最近特に活発になった大衆団体内の各種グループ活動のほか、将来の暴力革命に備えて軍事活動の合理的運営など党の活動は間断なく展開されておるようであります。また最近の地方選挙の結果を見ますと、昨年4月の総選挙に比べまして、党の得票は約2倍に増加し、さきの農業委員選挙においても約700名の党員が当選しております。中央、地方議会も原水爆禁止を決議しておるような状態であります。その署名運動は7月中に200万を越え、軍国主義復活、再軍備反対を中心とする平和独立の運動はますます国際的連繋を密にし、大衆化し拡大して来たことはいなめないのであります。このような情勢から見まして、日本共産党の勢力は最近上昇傾向にあると考えてよかろうと思います。しかし一面では、先ほど申し述べましたように国際的、国内的に党に有利な条件があり、また国民の統一行動も相当広汎に組織されておるにもかかわらず、その中核となるべき党の組織が労働組合内にはもとよりその他の大衆団体、文化団体の中でまだ非常に弱いということを党自身が繰返し繰返し述べておるところから見まして、党の組織の伸張がそれほど大きなものではないかと考えられるのであります。

次に在日朝鮮人の動向について申し上げます。在日朝鮮人の動向はいろいろな関係でわが国の治安上ゆるがせにできないものでありますが、特に大多数を占める北鮮系の中には、共産主義勢力が根強く浸透しておりまして、反米、反日本政府の意識がきわめて強いのであります。これら北鮮系朝鮮人在日朝鮮統一民主戦線、これを省略して民戦と申しますが、その民戦という公然団体に結集しております。民戦は10数個の単一団体が結合しておる結合体でありまして、いわゆる戦線体でありますが、その構成員は16万余となっております。また民戦の活動の中核となり、民戦を革命的に推進する組織といたしまして、在日朝鮮祖国防衛委員会、これを祖防委と申しておりますが、及びその指導下にある祖国防衛隊という非公然団体が組織されておりまして、北鮮系の最も精鋭分子がその構成員となっております。彼らは祖国の統一、独立、すなわち北鮮人民共和国による全朝鮮の完全なる統一、独立を第一のスローガンとして北鮮政府のもとに固く団結し、金日成に忠誠を誓うことを明らかにしておりますが、ただ日本に在住するという具体的条件のもとに日本共産党とともに日本の民族解放、民主革命を達成することが祖国の統一、独立を闘いとる近道であるとして各種の闘争を展開しておるのであります。

これに対して一方日本共産党は、彼らの強い独立意欲と粗暴な行動力を日本革命に利用せんとして在日朝鮮人を日本革命の有力な同盟軍であると規定いたしまして、民戦、祖防に対する指導を強化し、これを革命的に育成することに努力を傾けております。日本共産党は、昨年来特に民戦、祖防の中の多数の朝鮮人党員グループを通じてその党勢を強め、今日では完全に指導権を掌握しておる状態であります。従って民戦、祖防の闘争はまったく党の戦略、戦術に従って行われており、当面党の三反統一戦線強化の政治方針にのっとった活動が推進されております。平和擁護運動を最も重要な課題として、強く前面に押し出すとともに、政治的、経済的な各種の民族権利擁護の旗じるしのもとに朝鮮人大衆を民戦に結集いたしまして広汎な反ファッショ抵抗闘争を展開して、これを漸次革命化し、日本共産党のいわゆる民族解放、民主統一戦線の有力な一翼たらしめんと企図しておるようであります。平和擁護闘争におきましては、これを祖国朝鮮の平和的統一、独立の問題と結びつけて、昨年7月の朝鮮停戦の成立も一にソ同盟を中心とする世界平和勢力の平和政策による勝利であるとし、さらに平和擁護闘争を発展させることによつて、朝鮮の統一、独立を妨げているところのアジアにおけるアメリカ戦争勢力を一層孤立化させ、その闘いと祖国建設運動とが結合することによって、朝鮮の完全な統一、独立が達成されるものと宣伝しております。

しこうして日本共産党はその指導のもとに、民戦を中心として、日本国民との統一行動を強調しながら原水爆禁止、軍事基地、再軍備反対、経済文化交流のための朝鮮への自由渡航、日本国民との親善、団結など、各種の運動を行っております。民族権利擁護闘争におきましては、現在朝鮮人のあらゆる無権利状態や生活の苦しみが米日反動政府の戦争政策に基くものであると宣伝いたしまして、生活保護の獲得、反税、濁酒密造取締り反対など、各種の闘争に大衆を動員して階級闘争意識をあおっておるようであります。

他面、この種の闘争の中で問題となるのは、民族教育防衛闘争と外国人登録切りかえ反対闘争であります。民族教育防衛闘争につきましては、東京都教育委員会が都下の公立朝鮮人学校14校でありましたか、14校の廃校処分を行うことを決定し、近く民戦にこれを通告する模様であります。現在日本共産党の指導方針から考えて、これに対する反対闘争がすぐる年のあの朝連学校禁止当時のように暴力化するとは必ずしも予想できませんが、かかる処置が全国的に波及することに対しては、地方自治体などを対象といたしまして相当の圧力をかけて来ることが考えられぬこともないと思います。

次に本年10月を中心として実施される外国人登録切りかえにあたりましては、これを吉田、李承晩の強制送還、強制徴兵等の朝鮮人弾圧のための陰謀であると宣伝して、教育闘争と同様、地方自治体に対して反対闘争を行うことが予想されまして、すでに各地の民戦機関がその闘争指令を発しておるのであります。

民戦は以上述べましたような運動を展開する一方、組織の強化に努力しております。党は本年の2月在日朝鮮人運動についてと題する論文を発表しまして、在日朝鮮人運動の当面の基本方針を示しておりますが、その中で、民戦はまだ真の意味で統一戦線と言うことはできないと述べて、その強化を指令し、祖防は民戦の行動の中核とならねばならぬとしておるのであります。

民戦はこの方針に従いまして学習と組織の点検を強化しております。また祖防は本来軍事組織として運営せられ、日本共産党の軍事委員会及び中核自衛隊と並立し、主として軍事活動を行って来たのでありますが、今日では祖防隊の中の優秀分子だけを中核自衛隊に吸収しまして、その余の者は民戦の各組織内の行動部隊として、抵抗自衛闘争を通じて民戦を内部から強固な統一戦線に発展させる任務が与えられておるのであります。

しかし一般朝鮮人大衆について見まするに、意識の水準が低いため、日本共産党の指導について行けないこと、活動家を含めて朝鮮人の大多数が経済的に窮迫し、生活に追われていること、日本共産党の統制強化に伴い、民族感情からこれを決しとしないところの分子の反発があることなどの理由によりまして、党や民戦中央の方針が下部に徹底せず、朝鮮人運動全般に多少低調の傾向がありまして、特に民族感情に基き日本共産党の指導に納得しない一部の分子が、民戦の組織から脱退する現象がようやく著しくなっております。

山梨県民戦の分裂、札幌における民主愛国青年同盟からの集団脱退等がその例でありますが、なお各地で民戦の内部抗争があるように見受けられます。しかしながらこれは部分的現象にとどまりまして、民戦の各階級機関の幹部の大多数を朝鮮人党員が占めて、忠実に日本共産党の方針を実践しておりますので、民戦を中心とする北鮮系朝鮮人運動の革命的色彩が弱化するとは思われないようであります。