[088]
政府委員(法務府特別審査局長) 吉河光貞
これはすでにお手許に御配付申上げておりますが、衆議院におきましても提出いたしました各般の客観的な文書資料の写しによっても明らかなところであります。又法務総裁の提案理由におきましても今日各所において行われている暴力主義的な事件の背後にこれを扇動したり或いはひいては武装暴動によりまして、日本の政府を顛覆させることの正当なことや、必要なことを主張宣伝するような文書、或いはかような武装行動の準備的な訓練として各種の暴力的な行動を扇動するような文書が広汎且つ組織的に配付されている疑いがあるのであります。
かような事実を基にして考えてみますときに、そこに暴力主義的な破壊活動を行う団体の存在を疑わざるを得ない。かような事態がこの法案を必要ならしめる理由であるというように法務総裁からも申上げた次第であります。
[106]
政府委員(法務府特別審査局長) 吉河光貞
次に大事件があった前後にいろいろな情報が、資料が出るという点についてはどうかという御質問でございますが、先般行政監察委員会に、衆議院の行政監察委員会に私が喚ばれまして、メーデー事件に関するいろいろな問題につきまして委員の各位から御質問を受けました。そのときに私としては、事前には情報を得た。これは皇居前広場で集団デモをかける、而もいろいろな兇器を持って行くというような情報もありました。こういう情報を得たということをはっきり申上げておきます。
又事後におきましては、Vノートという資料が手に入りました。そうしてそれが皇居前広場の事件について、あそこに中核自衛隊を入れて暴れさしたけれども、どうもうまく行かなかった、まだ訓練が足りなかったというようないろいろ細かなことを書いて、あの事件の批判をしているような文書が出ております。そういうような点につきましても御報告申上げたのであります。それは私どものほうで入手したものでございます。