昭和28年03月05日 衆議院 地方行政委員会 国家地方警察本部長官 斎藤昇
「そこで日本共産党の軍事組織は、御承知のように軍事委員会によって統轄をされておるのでありますが、その組織の行動的部面を受持ちまするいわゆる中核自衛隊は、現在われわれのところにわかっておりますのは約600隊でありまして、隊員数が5500名でございます。われわれのわかっている資料によるものはさようであります。」

昭和28年09月09日 参議院 地方行政委員会 国家地方警察本部長官 斎藤昇
「只今私のほうで入手をしておりまする材料等から判断いたしまして、これらの中核自衛隊、或いは遊撃隊という大衆層組織の隊員は恐らくまあ8000から1万ぐらいであろうかと、私のほうでつかんでおりますものにつきましては、さように考えられるのであります。」

昭和27年02月06日 衆議院 法務委員会

[002]
自由党(自由民主党) 田嶋好文
本日国警の部長さん並びに法務府の関係長官、局長の御出席を得ておるのでございます。最近治安に関連いたしまして、警察官に対する暴行傷害等の事件が続出いたしております。この現状にかんがみまして、この真相をお尋ねいたし、これに基いて、国会といたしましても、これらに対する対策を立てようといたすものであります。

昨年の12月を契機といたしまして、いろいろ全国的に警察官に対する暴行傷害事件が続出いたしておるのでありますが、これらの行為を、今まで国警に入りましたおわかりになつておる範囲においてお答えを願いたいと思います。

なおこれらの件は、新聞紙上の報道によりますと、いずれも背後に関係を持つ団体がある。この団体の名前といたしまして、日共というような言葉がちらほら出るのであります。これはまことに共産党に対しても御迷惑なことでございますので、この点をはっきりいたしておきますことは、われわれ国会にとりましても、公党として認められている共産党のためにも、私は必要なことだと考えるのであります。どうか詳しく御説明を願いたいと思います。

[003]
政府委員(国家地方警察本部警視長(警備部長)) 柏村信雄
田嶋委員の御質問に対してお答えを申し上げます。警察官に対しまする暴行事件についてのお尋ねでありますが、昨年の12月中におきましては、自由労務者関係において集団暴行事件として約10件ほど起った事実がございます。1月に入りまして以来は、現在のところ札幌に起りました白鳥警備課長射殺事件、その後帯広におきまする巡査に対する暴行事件、また最近長野県の南佐久郡で起りました暴行傷害事件、この程度でございます。

これにつきましてただいまお尋ねの日本共産党との関係につきまして、新聞紙上にとかく大きく取上げられておりまするが、その背後の団体として日本共産党がはたしてそれらをあやつってやっておるかどうかということにつきましては、現在までのところ確証を得ておらない次第であります。

ただ日本共産党の非合法機関誌と考えられまする「球根栽培法」という雑誌の中に、軍事活動の方針、軍事組織の基本問題を取上げておるという事実がございますが、これは日本共産党の機関誌であるというふうに現在確認をいたすところまで至っておるわけではございません。

なお白鳥事件の直後におきまして、日本共産党札幌地区委員会の名前におきまして、あの白鳥警備課長射殺事件を是認するごとき文書がまかれたことは、これまた事実でございます。以上お答えを申し上げます。

[004]
自由党(自由民主党) 田嶋好文
そこで今度は今年起りましたこれらの3件の警官に対する暴行傷害事件の内容について、少しつっ込んでお聞きをいたしたいのであります。

白鳥事件に対しましては、衆議院よりも現在調査団が派遣されておりまするので、いずれその結果は国会において発表せられることと思うのでありますが、この委員会はわが法務委員会とは多少目的を異にした委員会でございますので、法務委員会として一言白鳥事件についてなおお尋ねいたしておきたいと思います。

この白鳥事件は、白鳥警備課長射殺後、そうしたビラがまかれたということだけのお答えでございますが、新聞紙上では、捜査の線につきまして、日本共産党の党員であるという人たち、これを対象にして捜査が行われているようでございますが、この捜査の点について、秘密にわたる点はもちろんこれはお答え願うことはできないのでございますが、明らかに願える範囲で、ひとつもう少し現在の捜査段階、捜査の方向等についてお答え願いたいと思います。

[005]
政府委員(国家地方警察本部警視長(警備部長)) 柏村信雄
先ほどお答えのうちで、ちよっと字句の間違いがございましたので、訂正さしていただきます。札幌地区委員会と申し上げましたが、これは札幌委員会でございます。

ただいまの白鳥事件の捜査の過程につきましては、現在鋭意捜査中でございまして、詳細申し上げる段階に至っておりませんが、この犯人が党員であるかどうかということにつきましても、まだ明確にはいたされておらないのであります。およそ捜査にあたりましては、あらゆる角度から考えられまする問題をすべて追究いたしまして、合理的に、科学的にこれを判断する必要があると思うのでありまして、非常に容疑の濃いというものにつきましてのみ捜査を進めるということは、やはり捜査の堅実な道ではない。もちろん現在の段階において、共産党員であるということが断言できないと同時に、これでないということも断言できないような状況でございます。

[006]
自由党(自由民主党) 田嶋好文
先ほどお答えの中で「球根栽培法」、これは共産党の機関誌ではないということを言われました。私たちは「球根栽培法」というのは「アカハタ」発刊停止後の共産党の機関誌の一部だと見ておるのでございますが、その「球根栽培法」によりますと、警察工作の立遅れを克服せよ、悪質な警察官は徹底的にマークしてたたけというようなことが「球根栽培法」に書かれてあり、これを各地区細胞にまわした形跡すらあるということなんでございますが、これらをもっていたしますと、私たちは、昨年12月を契機として起りました一連の警察官に対する暴行事件、傷害事件というものは、やはりこうした背後関係につながるものである、こう考えるのでありますが、これに対していかようにお考えになっておりましょうか。この点、警備部長にお答えいただくと同時に、特審局長がお見えのようでございますから、お二人からひとつお答えを願いたいのであります。

[007]
政府委員(国家地方警察本部警視長(警備部長)) 柏村信雄
「球根栽培法」についてのお尋ねでございますが、先ほど私がお答え申しましたのは、日本共産党の非合法機関誌と目せられるということを申し上げましたので、そういう疑いは多分にあるという意味で申し上げたのでありまするが、現段階においてこれが確実にそうである、平たく申しますれば、裁判上の問題として、そうであるということをわれわれが主張し得るまでの証拠を持っていないという程度のものであります。

11月14日に発刊停止処分になりました「内外評論」というものと通巻番号によりまして、11月1日から「球根栽培法」第30号として出されておるわけでありまして、ただいままで、私の聞いておる範囲では、33号くらいまで出ておるようであります。

この中におきまして、ただいま御指摘のように、32号の中でありまするが、第1に予備隊工作の当面の重点、第2に警察工作の立遅れを克服するために、というような論文が掲載されておりまして、この中に対警工作として、警察のファッショ化工作の誤りと当面の重点というような2項目をあげておるのであります。

そこで内容的には、警察官をして国民大衆の包囲の中にさらし、監視下に置かなければならない、いかなる小さな弾圧にも徹底的に攻撃し、攻撃闘争を執拗に加えるとともに、敵を実際に撃破するために行動を準備しなければならない、さらに守勢に立っていることは、専任工作隊の独自的工作活動が軽視され、いまだにその編成さえできていないということからも指摘できる点である、また悪質売国分子に対する徹底的な攻撃を組織して行くことがきわめて重要であり、欠くことのできないものになっている等の内容が載せられておりまして、これによりましても、警察に対する実力的攻撃を強調しているものと見られるのであります。

[008]
政府委員(検事(法務府特別審査局長)) 吉河光貞
ただいま国警の柏村警備部長から大体詳細お答えしたので、私の方からさらにこれを蛇足する必要がないのではなかろうかと考えるのでありますが、なお簡単に一言申し上げます。

ただいま柏村部長がお述べになった「球根栽培法」というのは、ただいまここに持参しました写真の通りの文書であります。これは32号となっておりまして、その内容につきまして柏村部長から一端を御披露したのでありますが、なお私から蛇足して申し上げますと、こういう記事が書いてあります。

だがそれをさらに前進させ、徹底化するためには、警官の一人々々を居住地において各個に撃破して行くことである。

平和を守り、自由を要求する国民の統一戦線の前進の中で、家庭における警官を包囲し、彼らをして番犬であることにいたたまれなきまでに追い込んで行く意識的、計画的、大衆的工作が重要である。

売国悪質警官を居住地で攻撃し成功している例は多い。東京王子署滝刑事に対する攻撃は、彼がもはやそこでは活動できないまでに追究しているのである。滝追究のビラは居住地周辺を埋め尽し、朝鮮人少年のかけ足デモは、連日早朝繰返され、売国奴滝の名が連呼されたのである。

専任工作隊の活動もこの中から開拓されている。無差別なビラ、新聞の手渡しや交番工作は、労多くして功少く、いたずらに犠牲を生むだけである。

東京某区では選挙人名簿から警官の住居をつきとめている。われわれがもし居住地における攻撃を怠れば、彼はその重点を攻撃に転化し、国民をファシストに売り渡すスパイ活動の部隊として活用し、彼らのよい休憩場所にするだけである。われわれは瞬時といえども彼らをして現在の地位に安んじさせてはならないのであり、攻撃に次ぐ攻撃でなければならないのである。言うまでもなく、それがわれわれと対峙する敵の武装力の手先であるからである。

第2に、いかなる小さな弾圧にも徹底的に攻撃し、抗議闘争を執拗に加えるとともに、敵を実際に撃破するために、行動を準備しなければならぬのである。

こういうような、きわめて暴力主義的な、破壊的煽動、宣伝の文書が載っておるのであります。

これらの文書につきましては、ただいま柏村警備部長からもお話になりました通り、昨年11月14日、「内外評論」「アカハタ」の同類紙として発刊停止の処分をいたしました。なお引続き私どもといたしましては、これらの文書の発行、配布関係という方面につきましても、さらに調査を進めておるわけであります。これがただいま申し上げました通り、「アカハタ」の同類紙という認定のもとにいたしましたが、私どもはそれが日本共産党といかなる関連に立つかということについては、いまだ結論に達しておりません。鋭意調査中であります。最近にいたりまして、一部破壊分子の手によって、暗々裡にきわめて破壊的な暴力主義的行動を煽動するような文書が配布せられておるのでありまして、これはまさにその一例であります。これらの点につきましては、関係機関と緊密な連絡のもとに、鋭意調査を進めておるような状況であります。



[038]
自由党(自由民主党) 押谷富三
これは北海道における共産党の破壊活動と関連を持つものでありますが、北海道におきましては、共産党員が経営をし、従業員が共産党員である鉱山、炭鉱などがあるのでありますが、この炭鉱に配給される火薬、ダイナマイトといったようなものが、政府からどんどん出されておる。しかもそれは監督もなければ警戒もされておらない状況において、ダイナマイト、火薬が配給されておることを非常に危険視されておるのでありますが、これに対しどういうお考えをもっておられるか、お伺いしたいと思います。

[039]
政府委員(国家地方警察本部警視長(警備部長)) 柏村信雄
ただいまお尋ねの点は、むしろちょっと警察の関係外の面が多いのではないかと思いますが、単に共産党員の経営するということで、現在の段階において、そういう配給を――これは私どもの所管ではございませんが、配給をしないということもならぬかと思います。ただそういう危険な薬品等が不法に使われるというようなおそれがある場合、またそうした事実の容疑があるような場合におきまして、初めて警察としてこれに対して手を打つ必要があるのではないかというふうに考えております。

[040]
自由党(自由民主党) 押谷富三
この鉱山等に使われる火薬、ダイナマイトにつきましては、配給関係はもちろん警察ではございませんが、そのものが破壊工作に使われるとなれば、治安上ゆゆしき問題でありまして、これは警察にも重大な関係を持つておるといわなければならぬと思うのであります。これがどういう方面に流れるかということによつて、破壊工作などがたいへんな結果を生むことになるのでありますから、特に御注意を願いたいと思います。

最後にひとつお尋ねいたしたいのは、白鳥事件、あるいは長野の事件、その他全国各地において警察官に対するいろいろな暴行あるいは脅迫などがあるということは、すでに私どもも承知をし、御当局においても十分お知りのことでありますが、こういうような幾つかの事件は、何か一貫した関連性があるかないか、この点についての御意見を承りたいと思います。

[041]
政府委員(国家地方警察本部警視長(警備部長)) 柏村信雄
現在までのところ、個々のこうした事案についての関連性は確認いたしておりません。

但し先ほど申しましたような「球根栽培法」に掲げられておりまするような事項が、ある組織的な活動の一環として行われるとすれば、将来多発するおそれも十分にあり得ることであろうと考えるわけであります。

[042]
日本共産党 加藤充
時間がありませんから、遠慮して簡単に2、3点だけの関連質問をいたします。

平和を求めて、戦争には反対だというような言動や運動が、すべてあれは赤だ、あれは共産党だと言われて弾圧されている実情でありまするから、お調べは自由でありましょうが、何でも共産党だというようなことに押しつけられることは、これは明らかなことで、常識であります。それこそ天下公知の事実である。

田嶋君、鍛冶君、押谷君が日共と結びつけて、何らかの結論を結びつけようと努力しておっても、それは特に目新しい事実ではないのである。

ですから重々お調べ相なつてしかるべきだと思うのですが、偏見を持ち、しかもその間違った偏見のもとに捜査方針を立てられて、人的動員、財的な出費を重ねて行って、ほんとうに赤い舌を出されているというような結論にならざるを得ぬことは、これは大きな意味での汚職の部類に属すべきであって、そういう方針をめったやたらに立てられまして、さっき申し上げましたように、人的動員をやり、国費を濫費する者の責任は、事の結果が明らかになったときに、ひとしく国民と憲法に対して責任をとるべきであるという、明確な責任感のもとにおいて発言をしてもらいたいと思います。